「氷海先生ー。所得税の予定納税ってどういう制度なんですかー?」←税金には疎い事務のマキ
氷海(税理士)「予定納税というのは前年の所得金額や税額をもとに計算した金額が一定以上である場合には、その年の所得税の一部を確定申告前にあらかじめ納付する制度のことだよ」
マキ「前年の納税実績をもとに今年の税金を前もって払うということですね。一定の金額ってどれくらの所得の人が予定納税をしなくてはいけないんですか?」
氷海「いろいろと細かい決まりがあるんだけど、簡単に言うと、所得金額が事業所得だけの個人事業主が前年の確定申告によって確定した税金が15万円以上の場合には予定納税する必要があるね。」
マキ「15万円ですかー。それっていつまでにいくら予定納税しなきゃいけないとか決まりがあるんですか?」
氷海「予定納税は所轄の税務所長から個人事業主に対してその年の6月15日までに書面で通知されるんだ。予定納税は2回に分けて行うことになっていて、1回目は7月1日から7月31日までに前年の税金の3分の1を納めて、2回目は11月1日から11月30日までに前年の税金の3分の1を納めるんだ。そして3月の確定申告の時に、申告する1年分の税金から7月と11月に予定納税した金額を差し引いた金額を納めるんだ。」
マキ「なるほど、1年分の税金を予定納税2回、確定申告1回の計3回に渡って納めるって感じですね。確定申告の前に前年納めた税金の3分の2も納めるって結構大変ですよね。去年は事業が好調でたくさん税金を納めたけど、今年は不調の個人事業主の方は資金繰りが大変ですね。」
氷海「そういう場合には予定納税の減額申請という制度があって、その年の6月30日の状況で、今年の税金の見積額が去年の税金よりも少なくなる個人事業主は、7月15日までに所轄の税務署長に『予定納税額の減額申請書』を提出して承認されれば、予定納税額も減額してもらえるんだよ」
マキ「そうですよねー、税金を前もって納めたがために資金が足らずに廃業しちゃったりしたら本末転倒ですよね」
氷海「そのとおりだね。予定納税の概要もわかったことだし今日はこのへんでまた今度」
マキ「はい!ありがとうございました!」